横浜西口治療院(←YNの由来)院内で刊行しているコンディショニング啓蒙資料
最初はあまり手に取ってもらえなかった紙切れも、今回で10作目を迎えました!
いまや重版出来は当たり前のこと、患者さまにもスタッフにも愛されている情報誌になったといっても過言ではない。(めっちゃ過言)
YNコンディショニング
No.10 新しい生活様式における「熱中症」の対策
今年ももう8月。。。
タイミング的に大変遅くなってしまいましたが、新しい生活様式と熱中症についてまとめました。A4用紙1枚にまとめるには大きなテーマで、詰め込みすぎ感が満載の出来となりました。。
- マスクの着用
- ソーシャルディスタンス
- 「3密(密集、密接、密閉)」の回避
今年は(今後も)感染症対策として上記3点を前提におきつつ、熱中症のリスクを高めてしまう矛盾点への対策が必要である!!
1.マスクの着用について
飛沫感染対策としてマスクの着用が有効とされていますが、熱中症リスクの観点から以下の点に注意しましょう。
・屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合にはマスクを外しましょう。
・マスクを着用している場合には、強い負荷の作業や運動は避けましょう。
・また周囲の人との距離を十分にとれる場所で、適宜マスクを一時的にはずして休憩を取りましょう。
2.安全なステイホーム
高齢者の「屋内での発症」が最も多いされており、「ステイホーム」により人と人との繋がりが減少している点は注意が必要です。
・周囲にいるもの同士がお互いに声を掛け合い、注意をし合いましょう。
・室内換気に十分な配慮をしつつ、こまめにエアコン温度を調節し室内温度を確認しましょう。
3.暑熱順化について
暑熱順化とは、徐々に暑さに身体を順応させることです。
今年は外出頻度が減っていることで体力低下を訴えている人も多く、猛暑日の外出や
屋外での運動では熱中症のリスクが高くなるおそれがあります。
・フィジカルディスタンシングに注意しつつ、適度な運動で少しずつ暑さに体を慣れさせましょう。
・急に気温が上昇した日は特に注意しましょう。
4.日頃の体調管理
運動や食事などの生活習慣に気を付けることでコンディションを良い状態に保っておくことも大切です。睡眠不足など身体の状態が良くないときほど、風邪をひきやすかったり、熱中症の症状が出たりすることはよくある話です。
・日頃の体調管理を行い、観察記録(体温・体重・気分・諸症状など)をつけておきましょう。
・運動前後は体重を測って、水分補給、栄養補給をこまめに行いましょう。
「おしっこの色」なんかも基準のひとつとして扱われることがあります。
厚生労働省「尿の色で脱水症状チェック」より
< https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzenproject/concour/2015/sakuhin5/n006.html >
スポーツ現場では
一般の方においては、日常生活における対策に加えて、非日常での外出や運動を想定した予防策を取っておくことが重要です。
一方、スポーツ現場では急激な体温上昇への予防と対策が必須です。
「体調悪くなったら休んでね」だけでは足りない場合があるということを認識して、発症させないこと・発症することを前提としたリアリティのある準備・対策案を練っておきましょう。
・もしもの場合、救急搬送前に「氷水浴/冷水浴法」で体温を下げましょう。
・信頼できるのは直腸温のみであり、発症時はその他の体温計に惑わされないようにしましょう。
・運動前後は体重を測って、水分補給、栄養補給をこまめに行いましょう。
実際の対策をする場合は各行政や自治体、競技団体で熱中症対策に関する資料が出ていますので、そちらをご参考にされるのが良いかと思います。こちらの記事も以下資料を参考にさせていただいてます。
- 環境省「熱中症予防情報サイト」
- 環境省「令和2年度の熱中症予防行動の留意点について」
- 日本救急医学会「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症予防に関する提言」
- 日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」
とにかく熱中症は「思い込み」や「何もしないで運試し」ではなく、毎年更新されている情報に触れて、横のつながりを大事にすることで多くの重大事故が防げるはずです。
梅雨明け、8月の猛暑日を想定して、抜かりなく予防・対策をするよう声を掛け合っていきましょう。