2021年7月11日(日)21:00~
第16回元トレ@オンラインを開催しました。
今回はラグビー・アメフトのサポートを中心にご活躍される運営の新関駿弥トレーナーがスピーカーを務め、「当たり動作の評価」をテーマに勉強会を開催しました。
テーピングをする新関氏
危険なタックルとは
まずはラグビーにおける4つの危険なタックルについて。
①逆ヘッドタックル
②スピアリングタックル
③ノーバインドタックル
④ハイタックル
②~④は、ルールでも反則行為として禁止されており、一発退場など厳しい罰則があります。
①逆ヘッドタックルは相手の進行方向に入ってしまうため危険なタックルと言えますが、反対にこれを得意とする選手がいたり、シチュエーションによっては避けられない場合もあります。
実際に頭部の位置による外傷発生率を調べた研究では、頭頚部外傷のリスクが約30倍にもなると示されています。
タックルによる怪我の予防
スポーツマンシップに則り、相手へのリスペクトを怠らないことが大前提となります。
試合中は極度の興奮状態にあるため、安全よりも強度を優先したタックルをしてしまいがちですが、故意的に反則タックルを行うことは決して許されることではありません。
ではそれ以外の状況において、なぜ危険タックルはされてしまうのか。
またタックルにおける受傷要因は何か。
これには様々な解釈があると思いますが、新関トレーナーは以下のことを挙げていました。
・不適切なタックル姿勢
・アジリティ能力の不足
・全身持久力の不足
・フィジカル不足(骨格筋量、パワーの不足)
・システムエラー(コミュニケーション不足、戦術理解の不足)
・コンタクト回数の増加
また以下の研究では、タックルに行く前の距離、時間が短いことが指摘されていました。
選手個人の課題、チームの課題を抽出して、それぞれに対して包括的に対策を講じることが必要です。
チーム帯同において、一度怪我をした選手に対しては復帰を目指す過程で個々の課題に介入する機会を得られますが、チーム全体として怪我の予防に取り組むためにはそれなりの根拠に基づいた説明と準備が必要です。
怪我をして練習を抜ける
↓
プレーできる人数が減る
↓
1人当たりのコンタクト回数が増える
↓
怪我の発生率が高まり、プレー人数が減る
といった悪循環は避けたいところですが、かといって受傷要因が改善出来ないままプレーすれば再受傷のリスクが高まります。
この辺りをチームと協力していかにコントロール出来るか、トレーナーとしての手腕が試されます。
非常に難しい問題だと思いますが、知識と技術の研鑽、問題点の具体化と準備を怠らないようにしたいですね。
タックルのアスレティックリハビリテーション
怪我全般において言えることですが、競技復帰を目指すためには段階を踏んで強度を上げていく必要があります。
いきなり100%ガチンコタックルというわけにはいきません。
タックルの強度を考えるにあたり、様々な変数が存在するわけですが、新関トレーナーは以下の4つを基本的な強度設定として考えているそうです。
・対象
・人数
・スピード
・反応
もちろんこれらが全てではありませんが、変数を言語化して思考を整理しておくことは、現場での正しい判断を導く考えの軸として大変役に立ちます。
この後は実際に行っているプログラムを動画で解説して頂きました。
タックルにフォーカスした教材はなかなか見ないので、とても参考になりました。
気になる方は新関トレーナーにコンタクトしてみてください。
この場合のコンタクトは「タックル」ではなく「問い合わせ」になります。
礼儀正しく、美しいフォームを意識しましょう。(失笑)
新関駿弥Instagram
< https://www.instagram.com/shunya.at.study/?hl=ja >
次回は 8月20日(金)22:00
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
次回は8月20日(金)22:00より「元トレ’s BAR」をオープンします。
たまにはテーマフリーで語り合いましょう(^ ^)
・夏の暑さより熱い話
・ゾッと涼しくなるような裏話
・年内に達成したい目標とか何とか
・この前あったリアルな話
・トレーナーとしての生き様 など
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